界面活性剤ってなに?
界面活性剤とは、水と油というお互いに混じり合わない物質を溶け合った状態にするための物質です。
自然界にも存在する成分ですが、天然と合成の違いはなんでしょうか。
合成の界面活性剤は、安定性が高く安価ですので、幅広い製品に使用されています。
合成界面活性剤は、台所洗剤や洗濯洗剤、またはシャンプー、リンス、洗顔料、ジェル、化粧水、クリーム、ファンデーションなどの化粧品の洗浄成分や乳化剤として使用されています。
合成界面活性剤の原料としては、石油、植物油、動物の脂などがあります。
また、植物の一部を原料として使った合成界面活性剤と、石油系で作った合成界面活性剤を混ぜ合わせたようなものもあります。
『せっけん』は合成界面活性剤なの?
純粋な石けんも、界面活性作用をもち、水と油を混ぜ合わせる界面活性剤といえます。人為的に合成しているので、合成界面活性剤ではないかとの論議もありますが、純石けんに関しては、別扱いと捉える向きが多いです。
大まかにいって、下記の3点の理由からです。
1.ある一定の条件が揃えば、自然界でも発生することがある
2.水で薄まると無毒化する
3.環境に負担がかからない
ただ、アルカリが強いので、健康なお肌には影響がありませんが、トラブル肌やお肌の弱い方には刺激が強い場合もあります。
『天然』の界面活性剤ってどんなもの?
自然界にも、界面活性作用のある成分は多くあります。例えば牛乳。分離すれば乳脂肪分でバターが作れますが、真っ白な液体でいられるのは、カゼインというたんぱく質が界面活性剤の作用をして、水分と乳脂肪分を混ぜて乳化させているからなのです。
他に天然の界面活性剤として、ムクロジやしゃぼん草など、植物に含まれるサポニンがあります。これらは、多少の泡がたちます。洗浄効果があるので、昔からせっけんのように使われてきた歴史があります。
大豆や卵に含まれるレシチンにはカゼインのように乳化作用があります。羊の毛から捕れるラノリンも同様です。
これらは自然の中で循環できる天然の界面活性剤と言えます。
『石油由来』の合成界面活性剤
石油由来の合成界面活性剤は生体内で分解されにくい性質があります、また細胞膜を破壊してしまうので、肌荒れや乾燥の原因になります。
例:アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、エチレン、プロピレンなどがあります。
『石油と植物を組み合わせた』合成界面活性剤
「植物由来」と書いてある成分でも、石油原料と合成したものがあります。植物の油と石油成分を合成しているので、植物由来といってもウソではないのです。何か腑に落ちませんが。。
例:ヤシ油脂肪酸モノエタノルアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
『植物由来』の合成界面活性剤
石油成分を含まない植物由来の成分だけで作られた合成界面活性剤もあります。主に自然派化粧品や無添加化粧品といわれるものに使用されています。
植物由来でも合成されたものであることに変わりはなく、細胞膜を破壊してお肌へどんどん浸透していくことが、かえって不安です。
合成されたものは何が怖いかというと、分子構造が安定していて残留性が高いことと、分子の粒が細かいため浸透性が高いことです。
例:ココアンホジ酢酸2Na、ヤシ脂肪酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸Naなど
『合成界面活性剤』と『天然の界面活性剤』の違いは
天然の合成界面活性剤は、安定性が低いという点と、高価という点で、製品化するには扱いにくいということがあります。その代り、自然の中で循環でき、環境や人にとっても優しいです。
合成界面活性剤は安価で安定性が高いという利点がありますが、モノにくっつく性質も強く、水で薄めても高い安定性の為に合成界面活性剤の役割をまっとうし続けます。つまり、皮膚に残留し、脂を溶かして水分と混ざり合わせるという効果がずっと続くのです。
皮脂膜の皮膚のバリアを破壊し、内部まで浸透することで水分を奪い、肌本来の機能を低下させ、敏感肌や乾燥肌になっていきます。
また、自然にかえりにくく環境にもダメージを与えていきます。