大切なお肌に直接触れる化粧品などは、なるべく自然なものを使いたい!と思われている方は多いのではないでしょうか。しかし、天然由来と自然派のイメージを謳ってる化粧品でも、実は化学合成されたケミカル製品だった、ということがよくあります。
では、その製品がどんなものなのかを見極める方法は、どんなものなのでしょうか?
製品裏の成分表示を見よう
化粧品には、全成分を表示する義務があります。ですから、この成分表示を見れば、どのような成分が使われているのかを知ることが出来ます。(ただし、薬用化粧品などの「医薬部外品」には、全成分の表示義務がないので、注意が必要です。)
例えば、植物由来とあっても、どのように処理されたかが大切です。というのは、せっかく植物原料を使っていても、処理方法によっては単なる化学合成物質となってしまうからです。
⦅成分表示の見方の参考⦆
下記の表記があれば、自然界にはない、合成成分ということになります。
◆エチ、プロ、イソ、ベン とあるものは石油由来の成分です。
◆化学合成成分の化学式には、構成している炭素の数が名前に使用されています。
1/モノ、2/ジ、3/トリ、4/テトラ、5/ペンタ、6/ヘキサ、7/ヘプタ、8/オクタ、9/ノナ、10/デカ、11/ウンデカ
◆ポリ(poly)は同じモノが多数結合したことを表します。
◆アルファベットは合成成分です。
例:PEG、BHT、EDTA
植物”由来”は、天然とはいえない?
植物などの天然素材でも、化学合成されたものは既に植物の原型が残ってなく、その植物が持っていた効能も失ってしまいます。植物由来の言葉に惑わされがちなので、ここは押さえておきたいところです。
例えば、成分表記でココイルとココアンなど、「ココ」ついているものは、植物のヤシ由来の意味で、合成物です。もし天然の素材そのものなら、椰子油などと表示されます。下記の例は、すべて合成の界面活性剤です。
・ココイルグルタミン酸Na=合成(ヤシ+サトウキビ)
・ココイル加水分解ダイズタンパクK=合成(ヤシ+ダイズ)
・ココアンホジ酢酸Na=合成(ヤシ+デンプン)
また、「ラウリル」とつくものも、ヤシ油などから作られる化学合成物です。
・ラウリルグリコシド=合成(ラウリル酸(ヤシ油由来)+グリコシド(糖分))
・ラウリル硫酸ナトリウム=合成(ヤシ+石油)
・ラウリルヒドロキシスルタイン=合成(ヤシ+無機物+石油)
・パルミチン酸ラウリル=合成(ヤシ+石油)
ヤシ油を使って加工しているから、植物由来というのはあながち嘘ではないのですが、消費者にとってその情報が有益なのかは不明です。だって、もう植物成分の原型はなく、自然界には存在しない物質になっているのですから。
自然界に存在する加工方法とは?
自然界に存在する加工方法には、酵素や微生物によるバイオ生成や、自然発酵などがあります。
⦅自然界に存在する方法で加工された成分の例⦆
・キサンタンガム…トウモロコシなどのデンプンを菌により発酵させて作られる。
・植物発酵エタノール…小麦やトウモロコシなどの穀物を発酵させて作られる。
⦅注意したい例⦆
・エタノール、トコフェロール、グリセリンなどは、どれも同名でも、植物を発酵させたものと石油由来のものとあるので確認することが大切です。
他に、オイルを採る為の圧搾法や、アルコールや油を溶剤としてのエキス抽出、精油抽出の蒸留法などがあります。こういった方法は古来より行われている手法で、その動植物の本来の力を失わずに生かすことができると考えます。
このような自然の摂理に逆らわない加工方法は、生分解されやすく、人の体内に入っても代謝ができるのです。
いかがでしたでしょうか?自然派を目指すあなたがチェックすべきものは、植物由来や天然成分配合といったキャッチフレーズよりも、ラベル裏の成分表示だということが言えますね!