自然派の化粧品などの場合、「天然成分配合」というキャッチコピーを目にすることがありますよね。
その天然成分には色々なものがあります。
「○○エキス」とは何を言っているのでしょうか?
例えば、「ローズエキス」と書いてあったとします。
多くの人は、ローズから物理的にぎゅっとエキスを抽出し、それを入れてあるのだと感じるでしょう。
しかし、それはイメージであって、全部がそうではありません。
○○エキスとは、溶剤によって抽出されたものが多いです。
溶剤には水、植物オイル、植物発酵エタノールや、石油由来の溶剤があります。
例えば、水で抽出する場合も、煎じたり、熱を掛ければ、水溶性、脂溶性どちらの成分も水に溶けだすことになりますので凝縮した成分を抽出することも可能です。
詳しくは『エキスの抽出方法は色々あります』をご覧ください。
単離された天然由来の「成分」とは?
「○○由来」の成分とあると、もうよく判らなくなってしまいますよね。
例えば、「トコフェロール」や「レシチン」は、動植物から特定の成分だけを「単離」されたものです。
「単離」とは、動植物の1つの有機化合物に注目し、それだけを抽出する方法です。
その植物に含まれる様々な成分の「相乗効果」などは、まったく関係のないものになります。
「○○水」とは、どのようなもの?
例えば、「ローズ水」を例にあげてみます。
「ローズ水」は、芳香蒸留水とも呼ばれ、水蒸気蒸留法により抽出されたものです。
エッセンシャル・オイル(精油)を製造する時の副産物として、精油よりも量が多く得られます。
蒸留後に冷やされて液体になった際、上澄みに浮くほんの少量のオイルが、精油です。
その下の液体がローズ水になります。
精油ってなに?
「ローズのエッセンシャルオイル(精油)」という名称を目にしたことがあると思います。
通常、ローズを水蒸気蒸留法で抽出したり、アブソリュート(揮発性有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法)によって得られたものを精油と呼びます。
1kgの精油をローズから抽出するためには、約5000kgのローズの花びらが必要と言われています。
とても高価なのがうなずけますね。