自宅で作るへちま水と製品化されたへちま水の違いは?
自宅で栽培したヘチマの茎を切って、そこから出る水分を瓶に溜めて化粧水として使用する…というのは、少し前までは多くの家庭で結構見られていた光景でしたね。
自宅で使える分だけ採取して、自分や家族で使用して・・・ということであれば問題ありません。保存剤(保存料)もいりませんよね~!腐る前に使い切って、また新しく瓶に詰めれば良いですからね。
しかし、これを化粧水など製品化するとなると、お話しは変わってきます。
本当の意味の無添加で化粧品ができればどれだけ素晴らしいことでしょう。
しかし、植物性のものも含め、化粧品を作ったり販売するには、安心・安全でなければなりません。
簡単に腐ってしまってはいけないのです。
化粧品には、薬事法の許可が必要です。
法律のことも少し説明しますね。
「化粧品」に該当するものを、日本国内に流通させたり製造したりするためには、薬事法に基づく化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可を取得する必要があります。
化粧品を「輸入」する場合も、化粧品製造販売業許可が必要です。
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~化粧品製造販売業及び化粧品製造業許可申請~
第1節 化粧品の定義(薬事法第2条第3項抜粋)
人の身体を清潔し、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。
第2節 化粧品の成分規制
化粧品の成分は、「化粧品基準」(平成 12 年 9 月厚生省告示第 331 号)に適合したものでなければならない。基準に違反しない成分については、企業責任のもとに安全性を確認し配合できる。
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ということです。
石油系の保存料が現在の主流
せっかく植物の有効成分を使おうとしても、それが腐っていれば成分も変化し有効成分どころか皮膚を刺激したり良くない作用をしてしまうかもしれません。
その為、化粧品原料の植物エキスは、BG(1.3-ブチレングリコール)という溶剤で抽出されたものが多いのです。BGは腐りません。また、通常は防腐剤としてパラベンやフェノキシエタノールなど石油由来の合成成分が使用されているケースがほとんどです。
しかし、オーガニックというか、無添加の化粧品を作る場合の植物エキスは石油由来の溶剤を使っていないことが望ましいですね。その場合の溶剤はエタノールや植物油か水が使用されます。エタノールも植物発酵のものが望ましいですね。
なぜかといいますと、石油系のものは合成物で自然界には無いものですし、化粧品に使用されてまだ70年くらいしか経過していません。新しい成分もどんどん開発され、まだ十分に人への影響を検証できていないのでは、と考えられます。実際に現在の化粧品を使用していて、乾燥肌やお肌のトラブルで悩む人も多くいます。
また、水や土壌など環境にも影響することを考えると、石油由来のものはなるべく避けたく感じます。
無添加化粧品の保存方法
本来の意味での無添加化粧品でしたら、防腐剤にはローズマリー、グレープシード種エキス、ワサビなど植物が使用されます。
しかし、石油系のBGなどに比べるとどうしても長期の保存は出来ません。可開封後の消費期間が3か月や6か月となっています。
使用方法は、手指をそのまま容器につけたり、手を入れたりは厳禁です。お風呂場などの湿気のあるところや、日光の当たるところへの保管も避けなければなりません。雑菌が入ることで腐敗させたり、酸化を早めたりすることがあるからです。それら使用期間や保存の方法に気をつければ快適に使用することが出来ますよね。
多くの商品を、遠くの地域の大規模店舗で、ある程度の長期に保存、腐敗しない商品ということで大手の化粧品メーカーは石油系溶剤や防腐剤を使用しています。
しかし、一方日本でも、こだわりの企業の作られる本物の天然成分100%の化粧品が増えてきましたので楽しみです。
それにしても、自分で無農薬で栽培したヘチマからとった水分を化粧水として使うなどというのは、とても贅沢でオーガニックなケアですよね!
※注意:
植物はスキンケアに向かないものもあります。
同じ植物でも、栽培環境によっては危険な場合もあります。
パッチテストなどでアレルギーなどの有無も確認しましょう。