「無添加」と表示されている化粧品と「自然派」と表示されている化粧品がありますが、非常に分かりにくですね。
どちらがどうなのか、違いをお話しします。
まず、そもそもどうして「無添加化粧品」、「自然派化粧品」が出てきたのでしょうか?
お肌のトラブルで悩む女性が増えてきていることも大きいと思います。
特に乾燥が原因で、さまざまなお肌のトラブルに悩まれる女性が多くいらっしゃいます。
現在販売されている多くの化粧品への志向は、最先端のケミカルやテクノロジーを駆使したものを求める人と、植物中心の伝統的なものを求める人とで、だいたい二通りに分かれているようです。
その後者の植物中心の伝統的なものを求める方たちをターゲットにし注目して作られた商品が、「無添加化粧品」や「自然派化粧品」となるわけです。
この方たちは、安全・安心なものを使いたいという人たちでもあります。
しかし、この「無添加化粧品」、「自然派化粧品」というのが非常に分かりにくいです。
「無添加化粧品」、「自然派化粧品」はどちらも同じと思っていませんか?
実は違うのです。
まず、「無添加化粧品」というと合成成分が全く入っていない添加されていないという風に思いがちですよね。
残念ながら違うのです。
1980年(当時の厚生省)がアレルギーの危険性があると指定した成分[102の表示指定成分と言います]を抜いた製品を「無添加化粧品」と謳って販売しているケースが多いのです。
この102の表示指定成分を使わなければアレルギーを起こさないというわけでは全くないです。この当時、明らかに危険性を認識した成分がこの表示指定成分だったというわけです。
しかし、その102成分以外にも肌のトラブルを起こしやすい合成成分はたくさんあります。
「無添加化粧品」と名乗るために、102の成分を使用しない代わりに、他の合成成分を使用しています。
たとえば、102の指定成分の中には、合成防腐剤のパラベンがありますが、パラベンを使用せず、代わりにフェノキシエタノールを使用していたりします。
他にも102の指定成分以外の合成成分が使用されているので、お肌のトラブルになりそうなものや合成成分が一切入っていないということではありません。
1980年当時に危険性がわかってなかったものやその後続々と生成されたわけがわからない成分は山とあります。
ですから、この表示指定成分さえ入っていなければ無添加と考えるのは間違っています。
本当は添加剤をたくさんいれているにもかかわらず、「無添加」と謳った方が消費者に受けがいいので、メーカー側は「無添加」ではないとわかっていながらも今も表現を曖昧にして「無添加」と打ち出しているのです。
では「自然派化粧品」を見てみましょう。
「自然派」というからには、天然のもの、植物で作られた化粧品のように思えますよね。
しかし、これも違います。
植物から抽出したエキスを多く使用して作られた化粧品ではあります。
しかし、成分表をきちんと見てもらうと分かるのですが、植物のエキス部分は少量であったり、そのエキスを抽出したものが石油で作られた溶剤であることが殆どです。
原料の一部にほんの少しでも自然植物を使っていたら「自然派化粧品」となるのです。
すごいからくりですよね。
大切なことは、「無添加化粧品」、「自然派化粧品」というコピーやキャッチフレーズを鵜呑みにすることなく、きちんと製品の裏にある成分表を読んで判断することなのですね。
だいたい、よく分からないカタカナが多くついていたりするものは、石油由来のものである場合が多いです。
化粧品の宣伝文句や雰囲気にごまかされないことが重要です。
理想的なオーガニックコスメとは、天然100%であるべきと思います。
そしてその植物環境は野生か無農薬であるかも重要です。
しかし、現在の「オーガニックコスメ」といわれるものには、植物栽培については野生や無農薬栽培やオーガニック認証の植物を使用していても、その抽出溶剤が石油であることが殆どです。
また、現在のオーガニックコスメの認定を受けた化粧品でも、素材はオーガニック認証栽培された植物だけれども、製品となったときには合成界面活性剤や合成防腐剤がたっぷり追加されているものがたくさん出回っています。
合成界面活性剤や合成防腐剤を使用していても、オーガニックの製品として認定をされているものもが多くあるというのが現状なのです。
オーガニック製品としての認定基準は、国によって様々です。
本来は、成分が天然成分であることがオーガニックの真髄でしょう。天然成分として使用する植物が無農薬栽培で育ったものであったり野生であったりすることが望ましいと思います。
現状は、宣伝文句として「オーガニック」という言葉が一人歩きしているだけで、実情とはかけ離れているようです。
オーガニックコスメだからと言って天然100%ではないということです。