ブチレングリコールの略で、1分子中に水酸基(-OH)を2個以上持つアルコールのことです。
化学名: 1,3-ブタンジオール(Butanediol)
分子式:C4H10O2
1,3というのは何個目の炭素原子Cに-OH基がついているかを表している数字です。
配合の目的は、保湿剤、防腐剤、エモリエント剤(エモリエント作用とは、皮膚を柔らかくする効果のことを言います)、香料、溶剤としてです。
化粧品会社がBGを使うとき、全成分の10%以上配合の場合は保湿剤や防腐剤として利用されることが多いです。
BGの原料をみてみましょう。
BGには、石油由来のアセトアルデヒドから合成するものと、植物由来発酵エタノールから合成するものとがあります(多価アルコール)。
このごろ宣伝文句として、結構多くの化粧品会社が「全て成分は植物性の化粧品ですよ」と頻繁に使っています。“BGは植物由来”ということをことさら強調していたりしますが、実は石油の合成成分も入っています。由来というともう100%純粋なものではないのです。
BGを使うことにより、お客様に嫌われがちなパラベン、フェノキシエタノールの配合をしなくてよいようにできます。
植物(トウモロコシ)由来の発酵エタノールから合成したBGもありますが、合成は合成です。
BGと似た成分に
ジ(カプリル/カプリン酸)BG=石油由来
ステアリン酸BG=石油+ヤシの合成
というのもあります。
また、BGはよく植物エキスの抽出液として利用されます。
オーガニックコスメや植物エキス配合化粧品と謳うためには、植物のエキスを抽出し使用しなければなりません。
BGと水を混ぜた溶剤に植物を浸けこむとエキスを抽出でき、そのまま植物エキス原料として使用することができます。
従来は、エタノールを使用して抽出されていたのですが、エタノールは皮膚を乾燥させるという理由でこのごろはBGが多く使用されるようになりました。
現在では、植物エキスを抽出する際に、もっともよく使われている溶剤となりました。
場合によっては、BGを使いながらもキャリーオーバーとして扱い、意図的に成分表示しない化粧品会社もあるようです。BGを使っていながらも、一切BGの表示が成分に出てきてない場合もあるのです。
キャリーオーバーとは、全成分表示に表記する義務のない成分のことです。2001年の4月から化粧品の成分は全成分の公開が義務付けられましたが、原料を安定させる目的で配合されたり、エキス抽出される時に用いられたりする場合にはキャリーオーバーの成分は表示しなくても良いという特例が設けられています。
植物性や植物の有効成分を抽出したものを配合したとはいえ、BGは石油を使い合成されております。結局BGを使ってしまうと、植物が本来持っている有効成分の力を発揮することができないのではないのではないでしょうか?
とりあえず、BGは石油系であろうが植物由来であろうがどちらにしても合成であり、植物の抗酸化作用が十分効くようになるとは思えません。肌に付くと刺激になる人もいるでしょう。
抽出溶剤は、お肌を乾燥させる石油系エタノールではなく、穀物発酵エタノールを使用した物の方が良いと考えます。