ベビーオイルとワセリンの原料は?
ベビーオイルもワセリンも石油から出来ているというと、びっくりされるでしょうか?
その根拠を説明したいと思います。
石油から製品を作る流れ
常圧蒸留装置で蒸留分離→ナフサ分、灯油分、軽油分、重油分
重油分を水素化脱硫装置→ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油
ナフサをナフサ分解炉→エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ベンゼン、トルエン、キシレン
この時に出た不純物の中から、ワセリンの原料である「ペトロラタムゼリー」という油性の物質が取り出されます。
ワセリンとは
ペトロラタムゼリーから不純物を取り除き、高純度に精製したものがワセリンです。
ワセリンは、石油から結晶成分を取り出し精製して得られる炭化水素類の混合物で固形パラフィンと流動パラフィンが混ざったものです。
ベビーオイルの主原料は
ベビーオイルに使用されているミネラルオイルは、そこから固形パラフィンを取り除いて流動パラフィンだけにしたものです。
ミネラルオイルというと聞こえが良いのですが、要するに石油成分の鉱物油です。
このようにベビーオイルもワセリンも石油から出来ているのです。
ワセリンが医療用にも使われる理由
医療用ワセリンは白色ワセリン(軟膏基剤)と言います。
中性で刺激性がほとんどなく、寒暖により粘稠度があまり変化せず、光・湿気によって酸敗することが少ない安定な軟膏基剤であることと、
吸水性や皮膚への浸透性が少なく、粘着性が強い。
ということが理由のようです。
用途は、軟膏基剤(一般軟膏用基剤、眼軟膏用基剤)として調剤に用いられる。また、皮膚保護剤などです。
主に過敏症、発赤、発疹、そう痒感等の対処に使用されます。
ワセリンやベビーオイルのデメリットは
石油の特性は、ラップやビニールの様に空気や水を通さないラッピング効果です。
皮膚に吸収されないので皮膚保護剤としては機能しても、逆に皮膚呼吸が出来ないということを考慮せねばなりません。
火傷の保護など医療用で、一定時期のみ使用することはありかもしれませんが、常用するとやはり石油は石油なので化学物質が停滞している、ということになりますよね。
また、それらは石けんで完全に落とすことはできないため、アルコールやクレンジング剤で落とすことになります。
そのことが、皮膚に刺激になる可能性を否定できません。