キャリーオーバーとは、何でしょうか

オーガニックや無添加の化粧品を語る際に、「キャリーオーバー」という言葉が出る場合がありますが、これは何を指しているのかをご存じでしょうか。
「キャリーオーバー」とは、化粧品成分表に表示しなくてもよい成分のことです。

通常、化粧品の製造会社は化粧品に使用した全成分表示を義務づけられております。
なので、おかしいなぁーと思われる方も多いかもしれません。

しかし、です。
表示しなくてもよいとされている成分があるのです。その成分のことを「キャリーオーバー」と言います。

その表示しなくてもよい成分の「キャリーオーバー」とは・・・・
植物エキスを抽出する「溶剤、防腐剤、キレート剤（成分の働きを阻害する微量金属を不活性にする）」は表示しなくても良いと「薬事法*」にも書いてあります。

*薬事法第61条第四号に定める化粧品の成分の表示方法（平成13年3月6日付医薬審発第163号/医薬監麻発第220号）から抜粋
[配合されている成分に付随する成分（不純物を含む）で製品中にはその効果が発揮されるより少ない量しか
含まれないもの（いわゆるキャリーオーバー成分）については表示の必要はない]

植物エキスの抽出溶剤にはＢＧ：参考「ＢＧとは？」やエタノール、ヘキサンが「キャリーオーバー」として使用されていることがあります。

クマザサエキスや、ワサビエキスエキスの抽出にＢＧやエタノール、ヘキサンが使われていても表示義務は無いということです。

キレート剤とは、化粧品に使用されている水分に含まれる微量のミネラル分が酸化を起こさないように加えるものです。

防腐剤とは、腐らないように殺菌や静菌作用作用があるものを入れることで変質しないようにする合成防腐剤です。

溶剤や防腐剤として、オーガニックコスメの場合、エタノールを使用していることが多いのですが、石油などを利用した合成エタノールではなく、植物発酵エタノールを使用することが望ましいです。

「キャリーオーバー」という意味を理解頂きましたでしょうか。

そうしましたら、今後化粧品の裏の成分表示を見て「植物エキス」等の～エキスと書いてあった場合には、エキス抽出の過程で、石油系の合成の溶剤や合成防腐剤、キレート剤が使用されているかもしれない、という事をこころして下さいね。