合成界面活性剤とは、油と水といった、お互いに混じり合わない物質が溶け合った状態にするための物質です。
合成界面活性剤は、台所洗剤や洗濯洗剤、またはシャンプー、リンス、洗顔料、ジェル、化粧水、クリーム、ファンデーションなどの化粧品の洗浄成分や乳化剤として使用されています。
合成界面活性剤の原料としては、石油、植物油、動物の脂、などがあります。
また、植物の一部を原料として使った合成界面活性剤と、石油系で作った合成界面活性剤を混ぜ合わせたようなものもありますので注意しなければなりません。
純粋な石けんも、界面活性作用をもち、水と油を混ぜ合わせる界面活性剤といえます。(合成界面活性剤とは違います)
こちらの石けんは人の肌にも環境にも負担にならないものです。
その他の天然の界面活性剤としては、ムクロジ、しゃぼん草などの植物から採れるサポニン、大豆や卵に含まれるレシチン、羊の毛から捕れるラノリンがあります。
こちらもお肌の負担にならず、自然の中で循環できる天然の界面活性剤と言えます。
さて、石油由来の合成界面活性剤をみてみましょう。
石油由来の合成界面活性剤は生体内で分解されにくい性質があります、また細胞膜を破壊してしまうので、肌荒れや乾燥の原因になります。
例:アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、エチレン、プロピレンなどがあります。
石油と植物を組み合わせた合成界面活性剤もあります。
「植物由来」と書いてあるものがそうです。
例:ヤシ油脂肪酸モノエタノルアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
植物由来の合成界面活性剤は、自然派化粧品や無添加化粧品といわれるものに使用されています。
植物由来でも合成されたものであることに変わりはなく、お肌へどんどん浸透していくことがかえって不安です。
合成されたものは何が怖いかというと、分子構造が安定していて残留性が高いことと、分子の粒が細かいため浸透性が高いことです。
例:ココアンホジ酢酸2Na、ヤシ脂肪酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸Naなど
これらの合成界面活性剤は、皮膚のバリアを破壊し内部まで浸透することで肌本来の機能を低下させ、敏感肌や乾燥肌になっていきます。これは、一般に経皮毒と呼ばれています。
また、自然に帰りにくく環境にもダメージを与えていきます。